2009年09月27日

ソリューションフォーカス「解決思考の実践マネジメント」

ビズクリカフェの小田です。


だいぶ前、歯科医専門のコンサルタントに出会い、その方から
ソリューションフォーカスという問題解決手法のことについて教えてもらいました。

この手法は従来の「問題解決にはまず、問題の原因をしっかりと捕らえて」と
いった流れではなく、「問題にとらわれず、解決へ向かうことに焦点をあてる」といった
考え方です。

もともとはカウンセリングの手法からでてきたようで、
その後、NLP(神経言語プログラミング)やコーチングにも同じ考えが広がっていったようです。


今回、ソリューションフォーカスを学習するにあたって、以下の本を読みました。



この中で最初、ソリューションフォーカスの例として、

太郎くんが会った三人の男という文章があります。

  ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

  ある日の夕方、太郎くんはおいしい夕食のことを考えて歩いていました。

  しばらくいくと、ある紳士に出会いました。紳士は太郎くんを見ると、

  「何か問題はおありですか?」

  太郎くんは問題と聞いて、いやな感じがすることをいえばいいのだと思い、

  「僕は肉が嫌いです」といいました。

  すると、紳士の眼光はいっそう鋭くなり、

  「それではまず原因を調べなければなりませんな」といいました。

  そして太郎くんがいつから肉が嫌いなのか、どんなところが嫌いなのか、一番嫌いな

  肉料理は何か、もし食べたらどんな反応があるのか、などなど、嫌いな肉に関して

  質問をたくさんあびせかけました。

  太郎くんは苦しくなって、何のためにこんなことを聞くのかと紳士にたずねると、

  「もちろん、あなたの問題を解決するためです!」

  苦しさに耐えられなくなった、太郎くんは、紳士に別れを告げて、また歩き始めました。

  ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

  しばらく歩くと、今度はとても明るく前向きな感じのスポーツシャツの男性に会いました。

  彼は太郎くんに「あなたの課題は何ですか?」と聞きました。

  課題の意味がよくわからない太郎くんは、思わずさっきと同じように、

  「僕は肉が嫌いなんです」といいました。

  すると男性は明るい声で、
  
  「大丈夫!肉を好きになることは可能です。一緒に取り組みましょう。いつまでに好きに

  なりたいですか?」と聞いてきました。

  太郎くんはつい「そのうちに・・・」と答えてしまいました。そして会話はどんどん続き、

  肉を好きになるために、どのように体を鍛えたり、勉強したり、仕事をこなしたらよいのか、

  などなど、さまざまな戦略が練られていきました。

  しかし、また太郎くんは苦しくなってきました。

  なぜこんなことを話しているんでしたっけ、と男性に聞くと、

  「もちろん、あなたが人生で成功するためです!」と明快な答えが返ってきました。

  苦しさに耐えられなくなった、太郎くんは、その男性に別れを告げて、また歩き始めました。

  ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

  しばらく歩くと、今度は、どこにでもいそうな普通の格好をした男性に会いました。

  ここまでの二人の男性との会話を思い出した太郎くんは、好奇心がムクムクと湧いてきて、

  この男性にも同じことを言ってみたくなりました。

  「僕は肉が嫌いなんですよ」

  「そうなんだあ。じゃあ、何が好きなんですか?

  「魚ですね。とくにいまの季節ならブリですよ」

  「この近くに、おいしいブリを仕入れるので有名な和食屋さんがありますよ」

  「いってみたいな」

  「ええ、いってみましょう」

  そして二人は歩きはじめました。

  「これでおいしい夕食が食べられそうだな」

  と太郎くんは思わず微笑んでいました。

  ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 この話のなかで、太郎くんは三人の男と出会いました、三人のタイプは異なりますが、
 どの男も悪い人ではありません。
 自分の考える正しいことをやろうとしています。

 とくに最初の紳士は、コンサルタントに多いですね。相手の問題を洗い出して、そこに
 対して、自分がいいと思っているやり方で相手を正していこうというやりかた。

 二人目の男性はコーチングの方に多いですね。「間違っていても必ず直すことはできる」
 という信念のもと、プラス思考で間違いを矯正していこうというやりかた。

 三人目の男性との会話は、「普通」あるいは「自然」に感じられるのではないでしょうか?
 彼は嫌いなものを好きにする方法は持ち合わせていませんが、好きなものに焦点をあてる
 シンプルな回路を持ち合わせています。そして何と、次の瞬間、そこに向かう行動を引き出し
 ました。

 太郎くんはもともとおいしい夕食が食べたかっただけで、嫌いな肉を好きになりたいとは一言
 もいってません。
会話の焦点がどこにあてられるかで、「欲しくないもの」に延々と付きまとわれる
 流れをつくるか、「欲しいもの」がはっきりしてそれを手に入れるための行動が促されるか、
 結果が大きく変わってきます。


 ●ソリューションフォーカス・アプローチにの3つの哲学
  1.こわれていないものを直そうとするな
  2.うまくいっていることを見つけ、それを増やす
  3.うまくいっていないなら、違うことをやる


 ●ソリューションフォーカス・コミュニケーションの基本的な流れの7要素
  1.OKメッセージ
  2.プラットフォーム
  3.フューチャーパーフェクト
  4.ソリューション・リソース
  5.スケーリング
  6.スモールステップ
  7.フォローアップ
  

 細かく書いていくと、きりがないのでキーワードのみにします。

 1.のOKメッセージはよくコーチングでありますよね。否定的な言葉を肯定的に変えたり。
 あと、5.のスケーリングが小田的にはすごいと思いました。(NLPにもあるそうですが。)
 これは、「1から10段階まであって、10が最高の状態としたら、いまどのくらいですか?」
 ということを聞いて、そこから1引き上げるにはどうすればいいのか、ということを考えて
 いくということです。それが6.のスモールステップにつながります。
 
 ソリューションフォーカスを一言で言うと、
 「問題がすでに解決されている状態、つまり未来の肯定的
 イメージを先行させて、そこから現在必要な小さな行動
 ステップを割り出していく手法」


 問題の解決方法はそれを抱えている本人が持っているという考えで、それを引き出して
 いくのが、ソリューションフォーカスアプローチということです。

 今のカウンセラーやコンサルタントは、まずは患者や会社の、「どうして現在そうなっているのか」
 という原因追求から始まって、ボトルネックを見つけ、それを解消してという流れでしたが、今後は
 このソリューションフォーカスの手法が広まってくると思います。
 
 もちろん、事故が起こった場合などにはソリューションフォーカスではなく原因追求するパターンが
 有効だと思いますが。

 今回学んで、今後積極的にビジネス・プライベートに使っていこうと思いました。



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Posted by 福岡ビジネスクリエイティブカフェ(ビズクリカフェ) at 18:41│Comments(0)ブックレビュー
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